~動物園のいまをお届け!~

こちらは広報おびひろに毎月掲載している「Zoo レター」のコーナーです。

3月号 鳥類舎の箱入り娘 クジャクのピィちゃん

●種名:インドクジャク
●性別:メス
●生年月日:平成24年7月22日

●好きな食べ物:コマツナやチンゲンザイ  など、柔らかい葉野菜

●性格:好奇心旺盛

飼育展示係 鳥類舎担当 森谷 有紗

 動物園の正門から入ってすぐに、たくさんの鳥たち暮らす鳥類舎があります。その中で特に人気者なのが、インドクジャクのピィちゃんです。
 人工孵化で誕生して、飼育員に自分の子どものように育てられたピィちゃんは人間が大好き。部屋に帰る時間になっても、飼育員の後ろをいつまでもついて歩きます。
 ピィちゃんは昨年の春から、クジャク舎へと
仲間入りしましたが、クジャク社会は意外と厳しく、ずっと人間に育てられていたピィちゃんは、初めのうち全く受け入れてもらえませんでした。追いかけられたり蹴られたりといった過酷な試練を乗り越えて、今は徐々に認められつつあるようです。
 インドクジャクは2・3年で大人になります。今年の夏で2歳を迎えるピィちゃんが一鳥前のクジャクになれるように、見守ってくださいね。



2月号 おっとりした美人さん 白ヤギのユズ
●種名:ヤギ(日本ザーネン種)

●性別:メス

●生年月日:平成22年3月10日

●好きな食べ物:ニンジン・リンゴ・
               配合飼料

飼育展示係 ヤギ担当 山崎 美歌

 園内の「ちびっこふぁーむ」で触れ合える4頭のヤギのうち、ひときわおっとりした性格なのがユズです。
 他の3頭が脇目も振らずに餌に駆け寄ってきても、ユズは後からのんびりとやってきます。よくあくびをしているので、ユズの周りだけ時間がゆったり流れているように感じます。
 そんなユズは、シュッとした顎に口角が上がり、いつも笑っているように見える美人顔。
おっとりしていますが、餌をもらうときはシッポをパタパタと振って喜びを表現してくれます。
 なでてもらうことが好きで、飼育員が他のヤギをブラッシングしていると、ずっとそばに居て自分の番を待っています。
 のんびりしていて穏やかな性格なので、4頭のヤギの中で一番触れ合いがしやすいです。「ちびっこふぁーむ」へお越しの際は、ぜひ名前を呼んで、なでてあげてください。



12月号 オオワシ~ワシ・タカ舎の看板娘!?
●種名:オオワシ

●性別:メス

●生年月日:昭和54年3月9日

●保護された場所:広尾町

●好きな食べ物:牛肉
 園内遊具施設の東側、キリン舎近くにあるワシ・タカ舎。その中でもひときわ存在感を出しているのがメスのオオワシです。
  普段は高い止まり木の上にいることが多いのですが、時折見せる水浴びや「ガァ、ガァ、ガァ」と大声を上げながら羽ばたく様子は豪快で、見る人をくぎ付けにします。
 そんな彼女ですが、実はかなりのおばあちゃん。園内ではゾウの「ナナ」、カバの「ダイ」に
次ぐ古株で、広尾町で保護されてから今年で34年になりました。
 野生のオオワシの寿命は20~25年ほどですが、他の動物園では50年以上生きていた例もあります。まだまだ頑張って長生きして、その迫力ある姿を多くの人に見せてほしいです。
 飼育展示係 ワシ・タカ担当 神山 直人



11月号 いつものんびり フタコブラクダのボス

●種名:フタコブラクダ

●性別:オス

●生年月日:平成元年5月4日

●好きな食べ物:配合飼料、
           ニンジン、リンゴ
 園内西側のラクダ舎に、フタコブラクダのボスが住んでいます。
 性格は至ってマイペース。朝、寝室から出た後はじっくりと時間をかけて牧草を食べます。
 餌の中では特に配合飼料が大好きで、飼料を入れるボウルを持った飼育員を、「ちょうだ~い」と言わんばかりに目で追いかけます。

 そんなボスも今年で24歳(人間でいうと70歳くらい)のおじいちゃん。座っている時間が長くなったように感じますが、これからも長生きして、そのまなざしで動物園を見つめ続けて欲しいです。

 飼育展示係 フタコブラクダ担当  住友 真介




10月号 食欲旺盛な女の子 モモイロペリカンのカン
●種名:モモイロペリカン
●性別:メス
●生年月日:不明
●出生地:不明
●来園日:平成15年4月25日
●好きな食べ物:
●嫌いなもの:松葉かき(掃除道具)
 おびひろ動物園にはオスのペリとメスのカン、2羽のモモイロペリカンがいます。
 通常のモモイロペリカンはオスの方が大きいのですが、ここでは逆で、食欲旺盛なメスのカンの方がペリより大きいです。
 普段はしゃがんだままほとんど動かないカンですが、大好物のホッケの入ったバケツを飼育員が持って近づくと、脇目も振らずに駆け寄ってきます。
待ちきれない時にはオスのペリを尻目に、バケツの中にくちばしをつっこんで食べる食いしん坊です。
 そんな元気なカンが、いつまでもペリと仲良く過ごしてほしいと願っています。


飼育展示係 モモイロペリカン担当 甲山 昌孝



9月号 スタイル抜群 アムールトラのマオ
●種名:アムールトラ

●性別:メス

●生年月日:平成22年7月7日

●出生地:東京都多摩動物公園

●好きな食べ物:牛肉、ひよこ

●好きなこと:プールに入ること
 6月20日に東京都多摩動物公園からおびひろ動物園に仲間入りしたアムールトラのマオ。
 しばらく新しい環境になじめず、寝室に引きこもったままの日が続きました。それでも日がたつにつれ少しずつ環境に慣れて、長い時間、屋外で過ごせるようになりました。
 今はプールが大好きでよく水に浸かっている姿が見られます。
 慣れるのに少し時間がかかったマオですが、来たときから食欲旺盛です。与えられた餌は全て平らげていますが、スタイル抜群。
 これからは、おびひろ動物園のを目指して優雅な姿を見せてくれることを願っています。

飼育展示係 アムールトラ担当  井上 文男



8月号 甘えんぼうのエゾシカ しんたろう

●種名:エゾシカ
●生年月日:平成24年6月3日
●出生地:おびひろ動物園
●性別:オス
●好きな食べ物:おいしい草、りんご
 ・・・野菜や果物はなんでも食べるよ
●嫌いな食べ物:特になし 
 おびひろ動物園には12頭のエゾシカが暮らしています。その中で昨年生まれた子ジカは3頭。中でも白い耳標をつけているのが「しんたろう」です。
 エゾシカはオスだけが角を持ちます。1歳になった「しんたろう」にも小さい角が生えてきて、ぐっと雄鹿らしくなってきました。
 しかし、まだ時々お乳をもらっているところを見かけます。青草もおいしいけれど、やはりお母さんのおっぱいは特別なのでしょう。
 ちょっぴり甘えんぼうの「しんたろう」がたくましい雄鹿になれるよう、見守っていきたいと思っています。

飼育展示係 エゾシカ担当 小林 紗央梨



7月号 童顔フェイスのおじいちゃん アシカのタケル

●種名:カリフォルニアアシカ
●生年月日:平成2年6月22日
●出生地:桂浜水族館(高知県)
●性別:オス
●好きな食べ物:ホッケ、ニシン、シシャモ
         ・・・魚ならなんでも。
●嫌いなこと:長時間陸の上にいること。

 動物園で一番広いプールで暮らすタケルは、すい~っすい~っと優雅に泳いでは来園者を喜ばせています。他にも、プールの底に沈没してみんなをドキっとさせたり、お腹がいっぱいになれば、さっきまでホッケ欲しさに寄っていった飼育員に流し目を送りながらスルーして泳いでいったりと、いろいろな姿を見せてくれます。
 そんなタケルは、今年で23歳。野生では
18~19年が平均寿命なので、かなりのおじいちゃんアシカですが、クリクリっとしたかわいらしい目に、大量のホッケを豪快に食べる姿はまったく年齢を感じさせません。
 これから始まる暑い季節は、タケルにとってはつらい時期ですが、体調を整えて、若々しい姿を見せつけて欲しいですね☆

飼育展示係 アシカ担当 田中 ちぐさ 


6月号 シロフクロウの「シロ」

●生年月日:平成17年6月19日

●出生地:ドイツ

●性別:オス

●好きな食べ物:ヒヨコ
 動物園の西側にあるコンドル・フクロウ舎。そこでひっそりと3羽のシロフクロウが暮らしています。
 シロフクロウといっても全身が白いのはオスだけで、メスには白地の体に細長の黒い模様があるので見分けるのがとても簡単です。
 現在、「シロ」はメスの「ライト」と一緒に暮らしていますが、これまでにこの2羽の間にヒナが無事に育ったことはありません。
 
 飼育動物の繁殖には動物たちが安心して子育てができる環境を作ることがとても大切です。繁殖期にあたる春から初夏にかけてシロがライトへの気配りをずっと続けられるように応援しながら、新しい命の誕生に期待をしています。

飼育展示係 シロフクロウ担当 新井 憲



5月号 動物園一のジェントルマンはだぁれ?

●種名:オシドリ

●年齢:4歳

●性別:オス

●性格:何といってもジェントルマン
     (季節によって変わります)

 飼育展示係 オシドリ担当 入交 利都

 園内で一番のジェントルマンは間違いなくオシドリの「モリオカくん」でしょう。現在5羽のオシドリがいますが、3羽がオスなので今シーズンもお嫁さんを奪い合う戦いが繰り広げられています。
 モリオカくんは、昨年生まれた若い「シロちゃん」に夢中。10月からきれいな羽を立てたり、「ビュービュー」という鳴き声でアピールしています。シロちゃんもモリオカくんを気に入った様子ですが、安心はできません。シロちゃんを
奪おうと狙うライバルが近くにいるからです。
 そこで、モリオカくんはシロちゃんを完璧にエスコートすることにしたのでした。常に寄り添い、どこへでもついていき、シロちゃんが出遅れれば必ず迎えに戻るという徹底ぶりです。
 とはいえ、オシドリは夏にヒナの誕生を迎えると同時に夫婦関係を解消します。また次のシーズンに新たな戦いが始まり、新たなカップルが誕生するのです。 



4月号 きれい好きの「ドルトン」

●種名:アメリカバイソン

●年齢:11歳

●性別:オス

●好きな食べ物:新鮮な牧草

 おびひろ動物園には現在、アメリカバイソンが4頭暮らしていて、「ドルトン」は唯一のオスです。
 大きな体に似合わず性格はおとなしく、毎日のんびりと過ごしています。
 他のアメリカバイソンは私たち飼育員が顔を触ろうとすると嫌がるのですが、「ドルトン」だけはあまり嫌がらず、顔を触らせてくれます。
 
 そんな「ドルトン」はとてもきれい好きで、毛についた虫をとるために身体を地面にこすりつけているところをよく見かけます。
 他のメスたちにはあまり見られない光景なので、「ドルトン」は意外にも繊細な心の持ち主なのかもしれません。

 飼育展示係 アメリカバイソン担当 多田 心