~動物園のいまをお届け!~

こちらは広報おびひろに毎月掲載している「Zoo レター」のコーナーです。


3月号 実は寂しがり屋のぴっくー

●品種:ピグミーヤギ
   <別名>ウエスト・アフリカン・ドワーフ

●年齢:11歳

●性別:オス

●好きな食べ物:リンゴ・ニンジン


 ホッキョクグマ舎から坂道を下ると目の前に「ちびっこふぁーむ」があり、そこにヤギの「ぴっくー」はいます。他に4頭のヤギがいますが、角があるのは「ぴっくー」だけです。立派な角で頭突きや角研ぎをしている姿は、まさに勇ましく感じます。
 しかし、その姿とは裏腹に寂しがり屋の一面もあります。隣にいる4頭が外に出て行ったり、飼育員の姿が見えなくなったりすると、
とても悲しそうに声をからして鳴きます。その時に「ぴっくー」の所へ行くと、かまって、と言わんばかりに近寄ってくる愛らしい姿もあります。
「ぴっくー」は、人に角を向けてしまうことがあり、お客さまとの触れ合いは行っていませんが、「ちびっこふぁーむ」に来たときには、名前を呼んであげてくださいね。
 飼育展示係 ヤギ担当 相澤 由香里



2月号 憧れる小顔 ゴマフアザラシのモモちゃん
●年齢:19歳(推定) ●性別:メス
●出生地:不明(野生保護個体)
●来園日:平成15年4月23日
●好きな食べ物:ホッケ
●嫌いな食べ物:ホッケ以外
●得意技:プール掃除中、滑って飼育員にアタックする。ついでに水をバシャバシャと浴びせかける。
●性格:飼育員には愛想よく(エサをくれるから)。知らない人にはものすごく人見知り。
 おびひろ動物園には19歳コンビのゴマフアザラシが暮らしています。オスの「カイ」君とメスの「モモ」ちゃんです。
 アザラシの寿命は30~35年なので、ちょっと中年の域に入ってきましたが、シワひとつない顔が若々しく感じられます。
 そんな姿をいつもうらやんでいますが、メスのモモちゃんはさらに憧れの存在です。
 パッチリとした目に整った顔立ち、女の子らしい小顔。きっとアザラシ界でも有名な美アザラシに違いありません。鼻たれ小僧のカイ君も大好きな様子。いつか2頭の赤ちゃんが生まれるといいな・・・

飼育展示係 ゴマフアザラシ担当 杉本加奈子



12月号 動物園のご意見番 アジアゾウのナナ

●年齢:51歳(推定、昭和36年生)
●出生地:インド
●性別:メス
●来園日:昭和39年4月27日
●好きな食べ物:スイカ、バナナ、リンゴ
●好きなこと:暑い日の水浴び
●苦手なもの:寒さ、雷、大型トラック

 ナナは今年、51歳になりました。人間でいえば、80~90歳ぐらいのおばあちゃんです。来園以来48年、どの動物、どの職員よりも長くおびひろ動物園に居ます。
 ナナは、いろいろなサインを使って自分の意思を伝えます。
  取って欲しいものがあると、長い鼻を伸ばして「ブォー」っと欲しいものに息を吹きかけます。それが「取ってよー!」のサイン。
 プールの水が汚れるとプールに、ナナのベッドの寝ワラが汚れると寝ワラの上にウンチをします。それが「掃除しておいてね!」のサイン。でもこれって、おばあちゃんの知恵?それとも性格?

飼育展示係 アジアゾウ担当 冨川 創平

 

11月号 いやし系 アカカンガルーのノンちゃん

●生年月日:平成20年8月23日
●胴長:約87センチメートル
●しっぽの長さ:88センチメートル
●性別:メス
●体重:19.5キログラム
●好きな食べ物:にんじん、食パン
●性格:とてもおとなしく『ぽか~ん』とした空気を漂わせてくれる。
●苦手なもの:雨と寒さはちょっとにがてかなぁ~。

 


 カンガルー舎は、ゾウ舎から坂道を下って、橋を渡った先にあり、晴れた日にはカンガルーたちが横になっている姿を見ることができます。
 そんなリラックスムードいっぱいのカンガルーたちの中でも、いつも満点の笑みを浮かべているのが「ノンちゃん」です。
 ノンちゃんは、袋から顔を出してから半年もしないうちにお母さんが肺炎により亡くなってしまうという経験を持っていますが、今では周りにいるカンガルーたちよりも元気に愛らしい姿を見せてくれています。

 飼育展示係 アカカンガルー担当 池下淳平




10月号 シマシマのロック

●生年月日:平成6年6月18日(18歳)

●体重:230kgくらい

●性別:オス

●好きな食べ物:青草、えん麦、
                配合飼料
●嫌いなこと:寝室に入ること

 

 南門から入園するとすぐに迎えてくれるのがチャップマンシマウマのロックです。たてがみからしっぽまで全部シマシマですが、体の中に1ヶ所だけ「ハートマーク」があります。どこにあるか、よ~く探してみてください。

 ロックはすごく神経質で、ちょっとしたことでも敏感に反応します。
 
 冬の夜は必ず寝室に入れるのですが、寝室に入るのが大嫌いで、夕方、寝室の扉を開けてもなかなか入ってくれず、飼育員を悩ませています。もう若くないので、冬はすぐに寝室に入って体を大事にしてもらいたいです。

飼育展示係 シマウマ担当 井上 文男



9月号 昼寝坊のスイマー アメリカビーバーのビービー

●生年月日:平成14年5月7日(10歳)

●性別:オス

●好きな食べ物:サツマイモ、キャベツ

●得意技:水中ターン、2足歩行、       柳の樹皮を食べ尽くす

 

 プールで優雅に浮かんでみたり、いきなりバシャッと潜ってみたりと泳ぎが得意のビービーですが、午前中はいつも室内で眠っています。午後遅くになってやっと活動開始です。
 15時半のエサの時間近くになると、そわそわとプールで泳いだり、プールサイトで立ち上がってキョロキョロと辺りを見回したり、飼育員用のドアをドンドン叩いたり・・・。
エサを持ってきた飼育員を、前足でバシバシたたいて「はやくちょーだい!」。大好きなサツマイモやキャベツをもらうと、うれしそうに抱えて、泳いで室内に持ち帰り、ゆっくり食べます。
 そして、入園者がまばらになった夕方に、ようやくプールに出てきて華麗な泳ぎを披露するビービーなのでした。

   飼育展示係 ビーバー担当 杉本美紀

 

 

8月号 ガンカモ池の暴れん坊 オオハクチョウ
 
●年齢・性別:不明  

平成16年5月に足寄町で保護される

●好きな食べ物:パン

●自慢:大きな翼と鳴き声

●譲れないもの:コハクチョウの隣

 アシカ舎からラクダ舎へ続く道の途中にガンカモ池があり、オオハクチョウ1羽、コハクチョウ1羽、カナダガン9羽が暮らしています。
 ところが現在、オオハクチョウとコハクチョウの2羽だけが離れて暮らしています。
 以前はみんな仲良く暮らしていたのですが、5月を過ぎた頃からなぜかオオハクチョウに落ち着きがなくなり、カナダガンたちをつついてしまうのです。
 そんなオオハクチョウもコハクチョウにだけは心を許しており、巣作りのために一緒に木の枝を運んだり、2羽で仲良く「コォー コォー」と鳴いていることもあります。
 飼育員にも大きな翼で攻撃してくるほど暴れん坊のオオハクチョウですが、ガンカモ池の一員として穏やかに暮らしていってもらいたいと思います。
   飼育展示係 ガンカモ池担当 多田 心

 

7月号 おてんばなホッキョクグマ アイラ
●生年月日:平成22年12月25日
                (1歳)
●性別   :メス

●体重   :130kgぐらい

●好きな食べ物:肉、魚、鶏

●好きなこと:タイヤにはまって遊ぶ、隣りをのぞいてみる
 札幌市円山動物園で生まれたホッキョクグマのアイラが、今年2月におびひろ動物園にやってきました。
 当初は母グマと離れた寂しさのためか「おとなしい子グマだなぁ」と思っていましたが、新しい環境に慣れてくるにつれて、生まれ持ったおてんばぶりを次第に発揮するようになってきました。
 プールに飛び込んで反対側の壁にぶつかり
そうになったり、ときどき何かに気を取られて階段を踏み外したりするのを見ると、心配するのと同時にちょっと笑ってしまいます。
 そんなおてんばなアイラが元気に成長していけるように、これからも見守っていきたいと思います。

飼育展示係アイラ担当 新井 憲

 

6月号 動物園の顔芸スター マンドリルのキーボー
●生年月日:平成16年3月25日(8歳)
●体重:15kgくらい
●性別:オス
●好きな食べ物
     :サツマイモ、ピーナッツなど

●嫌いな食べ物
     :サツマイモの皮、パンの耳など

 釧路市動物園で生まれたキーボーは、お母さんに育児放棄されたため、飼育員の手によって育てられました。
 平成19年の初夏、無事に成長して3歳になったキーボーが帯広にやってきました。当時はゾウ舎前の古いマンドリル舎にいましたが、平成20年に現在の動物舎が完成して引っ越しをしました。
 今ではガラス越しに“あっかんべー”をしたり
爆睡して下唇がゆるんでいたりと、いろいろな表情を見せてくれます。運がよければ、飼育員に対して怒っている姿なども見ることができます。
 1頭で暮らしているキーボーは、人間に対しての表情がとても豊かです。キーボーの方が通りかかる人間を見て楽しんでいるのかもしれません。
   飼育展示係 キーボー担当 田中 ちぐさ

 

5月号 仲良し兄妹エゾタヌキのシロとクロ
●生年月日:平成20年5月24日
●好きな食べ物
  シロ 1位牛肉 2位ヒヨコ
  クロ 1位牛肉 2位ホッケの内臓
● シロとクロの見分け方
 シロ:人に近い所にいて、少し上を向いている。顔が白っぽい。
 クロ:シロの半歩後ろで伏し目がちにじっと見つめている。顔が黒っぽい。

 平成21年6月30日に円山動物園からやってきた、仲良し兄妹のシロとクロ。顔がそっくりな2頭ですが、性格には違いがあります。
 オスのシロは積極的で、警戒しながらも人に近付いてくるのに対し、メスのクロはその少し後ろを控えめについていきます。餌を与えたときに、先に食べに来るのがシロ。ワンテンポ遅れるのがクロです。
 しかし、シロの方が強いのかというと、そうとは限りません。ときどき、偶然舞い込んだ鳥の羽根を奪い合うなど、ちょっとしたことで互角にケンカをすることもあります。それでも、やっぱり2頭は仲良し。寄り添って寝る姿は、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。

  飼育展示係 エゾタヌキ担当 入交 利都

 

4月号 動物園の人気者 アムールトラのタツオ

●生年月日:平成9年4月8日

●体重:160kg

●頭からおしりまでの長さ:171cm

●好きなたべもの:牛肉や鶏肉

●苦手なもの:夏の暑さ

 
 
 タツオは平成22年12月14日におびひろ動物園に仲間入りしました。 

 幼い頃に人の手で育てられた経験があるためか、人に対してよく反応し、逆に誰もいないときは寂しそうにします。  

 
 野性味が少し足りないと感じられることもありますが、その代わりにとてもいい表情を見せてくれたり、エサが少ない日には猫の鳴き声を野太くしたような鳴き声でアピールしてきたりすることもある人気者です。

    飼育展示係 タツオ担当  新井 憲