2010年 4月 10日

ヨーネ病疑似患畜の発生と
その後の経過と対応について

公表要旨
このたび、おびひろ動物園の展示動物から、ヨーネ病の疑似患畜が発生しましたので、その経過と対応の概要について報告・説明をさせていただきます。

おびひろ動物園のちびっこふぁーむ内の展示動物1頭から、ヨーネ病の疑似患畜が発生いたしました。

発生までの経過を申し上げますと、札幌市の円山動物園にて昨年11月、ヨーネ病の患畜が1頭発生したとの報告を受け、おびひろ動物園には、昨年6月末、円山動物園から移動してきた2頭の羊がおりますことから、十勝家畜保健衛生所と協議の上、感染を調べるための検査を実施いたしました。

昨年11月19日の1回目の検査では、同居の動物を含め、5頭全頭が陰性ということで、感染なしということでしたが、先月26日の2回目の検査において、5頭のうち1頭が擬陽性の判定を受け、疑似患畜と決定されたものであります。

ヨーネ病は、家畜伝染病予防法で定められた法定伝染病であり、牛やヤギ、ヒツジなどの反すう動物にのみ感染するもので、糞便中に排泄されたヨーネ菌を経口摂取することにより感染します。なお、人には感染いたしません。

おびひろ動物園としての対応ですが、疑似患畜と決定した場合の取り扱いは、家畜伝染病予防法により、①遅滞無く当該家畜を隔離し、病原体の散逸を防止すること、②当該家畜の所在した畜舎等の消毒を行なわなければならないことになっておりますので、そのような取り扱いをする考えでおりました。

しかしながら、①動物園は不特定多数の人が出入りする施設であり完全隔離が徹底できないこと、②患畜と同居の場合も、再検査を行い清浄化を図ることは可能ですが、数年間監視が必要であること、③十勝・帯広は酪農など農畜産業を基幹産業とした地域であり、経営者や消費者に多大の不安を与えかねない、また、風評被害も避けなければならない、など総合的に判断した結果、疑似患畜1頭と、同居の4頭を含めた5頭を、やむを得ず殺処分することとし、迅速な対応が必要なことから、7日に実施したところです。

動物の保護・愛護の役割を担う動物園が、このような処分を行なうことは、大変不本意であり、残念で申し訳ない気持で一杯でありますが、苦渋の選択の結果とご理解願いたいと思います。